モダンジャズって何か
おおざっぱに1950年代から60年代はいわゆるモダンジャズ全盛期になる。ジャズの全盛期といっても良い感じもする。モダンジャズって何なのかというと漠然としているけど、その時期の主流のジャズはモダンジャズといわれる。もちろん、その時期にも色々なジャズが混在しているけど、主流の歴史としてはモダンジャズ期である。今聴いても分かりやすいジャズだし魅力的な演奏も多い。
いわゆる40年代のスイングジャズの白人的なダンス音楽のようなものではなく、40年代後期からの黒人主体のビ・バップといったリズミックな即効性の高いジャズでもなく、音楽的にわかりやすく、簡単なハーモニーもあったり、それでいて即効性も高いといったバランスの良いジャズが生まれた。それがモダンジャズ。
1948年からは今までの短い音楽しか録音できない割れやすい材質のSPレコードに代わって、片面で25分程度も録音できる割れない材質(塩化ビニール)のLPレコードがうまれました。さらに1957年ころからステレオ版も登場するくらい音質も向上したため、鑑賞する音楽としても普及してきたと思われます。だから、モダンジャズ期以降の音楽は以前のジャズよりも曲が長いものにもなって音楽的にも聴きごたえもあるものになってます。もちろん音質的にも。
モダンジャズの一つは、アメリカ西海岸のアンサンブル主体の白人メインのウエストコーストジャズともう一つはハードバップといったニューヨーク側の黒人主体のアドリブ主体の東海岸のジャズになる。ほかにモードジャズも含んできます。
この時期にはなんだか魅力的な個性的な演奏家も多いもの。今ように、ジャズを学校で学ぶような時代ではなく、ライブで演奏していって、先輩ジャズマンの洗礼をうけて体で覚えるような音楽であった。だからこそ、なんだか優等生タイプではないような面白い個性的なジャズマンばかりだった。演奏技術としては、現在の方が高い感じがするけれど、ジャズの名盤を選ぶことをすると、この時期に集中していたりする。この時代の熱さというのは、ジャズの中でも黄金の時代だったのです。
そんな時期の魅力的なレコードをひとつ紹介します。
【DEMON’S DANCE】アルトサックスのジャッキー・マクリーンのアルバム。
これは、なんだかブルーノートレーベルらしからぬジャケットのイラストですね(笑)。でもこのアルバム、普通の典型的なハードバップなのです。マクリーン自体は個性的な音色であるし、独特の節まわしが心地良いです。
Woody Shaw (tp, flh)
Jackie McLean (as)
Lamont Johnson (p)
Scott Holt (b)
Jack DeJohnette (d)
1967年録音