「神は細部に宿る」について独り言
神は細部に宿る 誰が言い始めたのかは諸説あるけれども、ドイツのモダニズム建築家のミース・ファンデル・ローエが使った標語として有名です。
作品は詳細な部分にこだわってこそ作品の本質が決まるので、細かいところまで気を配らなければならないということ。
細かいこと気をつけろってことなのか?
詳細な部分にもこだわることでより高いレベルでの達成ができる。という解釈もできます。
なんだか、現代のビジネスとかの標語になりそうな感じもしますね。
建築の世界はミリ単位での図面で書き、現場での誤差はあるけれども、その図面に合わせて仕事をします。
誤差あるけれども、沢山の職人によって図面に近づける作業をすることで最終的には建物を完成させます。
図面を書くといっても、意匠的なデザイン設計する人と実際に施工するための図面を起こす人がいます。
ミース・ファンデル・ローエはいわゆる建築家ですから、意匠デザインの設計の人かと思います。施工図の詳細のことを考えていたわけではないとは思うから、その詳細というのはどういうことを指しているのだろうか。
それとも当時は意匠デザインと施工図は同じ人が書いていたのかな。そのへんはわからないですね。
実際のミース・ファンデル・ローエの作品というのはモダニズム建築なので、ものすごくシンプルなデザインです。
現代のビルのような設計もしてます。実用性の高いシンプルな直線主体の構造物になります。
実際に「より少ないことは、より豊かなこと」という標語もひそかに述べています。
細部にこだわることで、結果的にシンプルになったとでもいうのだろうか。
それとも、今でいう断捨離を当時から標語にしてたのかな。いわゆるミニマニストなのか(笑) 違うか。
「より少ないことは、より豊かなこと」
なんだかわからないけど、私には日本的な感じがします。
白紙の部分で表現するというか。描きこみすぎないというか。
池坊の生け花のシンプルさというか。
より少ないことは、より豊かなこと…なるほど
日本でいうわび・さび のことなのかな。ちょっと違うか。
細部にこだわると、シンプルさが生まれるのは分かるような感じもします。
私の場合は油絵に関してですけれども、シンプルなデザインから考えて、詳細を決めていく感覚で構図を考えます。その時点で頭の中で最終の作品のイメージを完成させておきます。最終的には演奏するというか、歌うような感じでアドリブ的に描きます。色を置き終わったら、少しおいて客観的に鑑賞して修正します。それで完成です。
感覚を研ぎ澄ました状態で描くようにします。勝手に手が動き出すようなイメージです。後から見てどうしてこれが自分で描けたのかなと思えれば、うまくいったってことです。
どんな方法であれ、結果として細部に神が宿る魅力的な絵が描ければいいなあ。