油彩画家 仲 浩克 の公式サイト
2020-11-18

絵画も「心・技・体」が大切

よくスポーツには、心・技・体が必要であると言われる。自分の場合はスポーツではないけれど、油絵を描くにあたって、やっぱり、技だけではなく、心や体が重要であると思うようになった。まあ、何ごともそうなのかと思うけど。

絵を描くために体を鍛える。結局は、筆を運ぶエネルギーにしても、スピード感にしても、体力が必要である。エネルギーが無いと描けない。特に筆を持つ手の感触はかなり重要ですが、体全体の感覚も重要かと思う。技術とは違った体の感覚を身につけることが重要であると思う。やっぱり、そうなると絵画にもスポーツ的な体幹が必要であるような感じがする。自然体で体幹が良ければ色々とフリーハンドで描けるようになってくるのではないかな。

技に対していうと、勿論テクニック的要素のことである。絵画には、ある程度理論めいたものもある。遠近法は感覚というよりも理論で図学的に描く要素も多い。理屈を覚えて、練習の繰り返しである程度なら描けるはず。

絵の具の使い方と技法についても先人の残した作品から得ることも可能であるし、技法書をながめることも勉強になる。学校で先生から直接学べるなら、もっともっと上達が早いと思います。でも、最終的には自分の画風を見つけることが画家の仕事。それには、繰り返し描くことが必要かと思う。

自分の場合はカメラを学ぶことによっても、絵画のテクニックを間接的に学ぶことになったし、建築を学ぶことで結果的に絵にも影響があるものにもなった。だから、色々なことに興味を持つことも技にもつながるとも思う。

心をきたえる。画家にとってはどう感じるかが重要で、テクニックではなくて、まずは描きたくなる衝動になることが一番重要だと思っている。感動しやすいかどうか。自分で見たものや感じたことを自分なりの感動のフィルターをとおして平面に絵で表現したいのが画家なのです。そのために、その目を持つ力を鍛えることが重要です。それには、生活をせかせかした感覚ではなくて、のんびりと構える気分になるといいと思う。些細なことを大げさに気づいたりすることができる心になれば、感動した箇所を自分なりに解釈すると作品のイメージが勝手に出来てくると思う。

感動しやすいから、イメージが先にあって、それを絵にするために技術が得られて、最終的には自分だけの感覚を伝えるために、画風が生まれるのです。

心と体があってこその技術であり、技術だけでは感動する絵にはならないものです。生き方が絵に表れてくるもの。だから、いろんなことを経験することが感動をさせることのできる要素になるような気がする。

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