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2020-05-13

レスターヤングの【PRESIDENT PLAYS】を聴いてみた

まあまあ有名なアルバムかと思う。ノーマン・グランツのプロデュースでレーベルはverve。1952年11月28日ニューヨークでの録音です。基本的には1957年からステレオ録音になっていること多いので、モノラル録音かと思う。

題名のプレジデントとはテナーサックス奏者レスター・ヤングのあだ名である。歌手のビリー・ホリディがテナーサックス奏者のプレジデントという意味でつけてます。ビリーも尊敬していたのですね。愛称はプレスです。

メンバーは結構豪華な感じです。オスカー・ピータソン(ピアノ)トリオとの共演。私の好きなバーニー・ケッセル(ギター)もメンバーだったのですね。そういえば昔のピアノトリオってドラムじゃなくギターが入ることが主流でした。メロディ楽器というより、リズム楽器的に入るのです。でも、たまにはケッセルも目立ったソロもとります。当たり前ですが、レスター・ヤングがやっぱり目立ちます。レスターのスタイルは独特で男性的なものではなく、音色と独特のフレージングにあります。予想外のところで切れたり、長いフレーズになったりといった節回しになるのです。音色はややかすれて、力強くない。なかなか好みの奏者のひとりになります。1940年代のスイング時代に活躍したにしては、モダンなフレーズといえます。ジャストビートの多い時代に、アフタービートでのノリがある奏者です。このフレーズは、のちにスタン・ゲッツが影響を受ける感じになっているように感じますね。ハードバップとかビバップ的なフレーズではないのですが、このフレーズあってこそ、新しいジャズが生まれた一つのきっかけである感じもします。なので、後世に影響を及ぼした奏者のひとりです。

Lester Young(ts)
Oscar Peterson(p)
Ray Brown(b)
J.C. Heard(ds)
Barney Kessel(g)

個人的には5曲目のジーズ・フーリッシュ・シングズが好みです。バラードになります。スタンダードな曲で、色々な人のバージョン聴きましたが、これが一番好きなものです。オスカー・ピータソンのピアノ前奏からはいるレスター・ヤングのかすれた音色でとつとつと入っていく感じはいいですね。

1. アド・リブ・ブルース
2. ジャスト・ユー,ジャスト・ミー
3. ティー・フォー・トゥー
4. インディアナ
5. ジーズ・フーリッシュ・シングズ
6. 言い出しかねて
7. スターダスト
8. 明るい表通りで
9. 恋をしてみたい
10. 捧ぐるは愛のみ
11. ゼア・ウィル・ネヴァー・ビー・アナザー・ユー
12. アイム・コンフェッシン
13. トゥー・トゥ・タンゴ

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