お知らせ

RoonとWi-Fiの最適解?電波が「弱い」5GHzでも快適、そのワケと中継器の可能性

オーディオ

Roonユーザーの皆さん、こんにちは!ネットワークオーディオ環境を構築する上で、Wi-Fiの選び方って本当に悩みますよね。有線LANが理想と言われる中で、ルーターの位置とオーディオが離れていて仕方なく、5GHzのWi-Fiをメインに使っています。今回は、その運用状況と、なぜ5GHzが「電波が弱くても」快適なのか、そしてDSP処理の安定化との関係について、皆さんにお伝えしたいと思います。

我が家のRoon環境とWi-Fi接続状況

まずは、我が家のRoon環境をご紹介します。
Roon Core (RoonROCK): 1階の居間に有線LANで接続しています。Roonの心臓部。
オーディオ部屋: 2階にあります。PCとWiim Pro Plusを設置。
PC (Roonリモート): 2階のオーディオ部屋で、Roonのリモート操作用に使っています。Wi-Fiは5GHz接続です。
Wiim Pro Plus (Roon Ready): こちらも2階のオーディオ部屋で、Roon Readyデバイス(オーディオに接続する再生するための装置)として利用。Wi-Fiは同じく5GHzで受けています。
見ての通り、2階のオーディオ部屋は完全にWi-Fi頼りです。特に、メインのWi-Fi帯域は「5GHz」を選択しています。Wiim Pro Plusの設定画面では、5GHzにすると「弱い」と表示される状態です。

「電波が弱い」はずの5GHzが、なぜ快適なのか?

一般的に「5GHzは2.4GHzよりも電波が壁に弱く、到達距離も短い」と言われていますよね。実際、私のWiim Pro Plusの設定画面では「弱い」と表示されるにも関わらず、PCでのRoonリモート操作も、Wiim Pro Plusでの再生も、驚くほど快適で安定しているんです!
PCでのリモート操作: 画面の遅延が全くなく、本当に「サクサク」動きます。
Wiim Pro Plusでの音楽再生: 音が途切れることはありませんし、安定してストリーミングできています。逆に強度が高い2.4GHzを選ぶと、遅延が発生します。
なぜ電波が弱くてもこれほど快適なのでしょうか?私が考える理由は以下の3点です。

1. 広い帯域幅と圧倒的な高速性

5GHz帯は、2.4GHz帯に比べて利用できるチャネル数が多く、より広い「道」を提供できます。これにより、Roonのアルバムアートワークやメタデータの表示、PCでの複雑な画面更新など、大量のデータを瞬時にやり取りすることが可能になります。この高速性が、リモート操作の「サクサク感」に直結していると感じます。

2. 干渉の少なさ

2.4GHz帯はBluetoothのスピーカーや、ワイヤレスのマウスやキーボードなどで使われているため、電波干渉を受けやすいという弱点があります。一方、5GHz帯は比較的利用者が少なく、他の機器からの干渉を受けにくいのが特徴です。この「クリーンな電波環境」が、通信の安定性、ひいては音の途切れのなさにつながっているのでしょう。

3. 低い遅延

高速性と安定性によって、5GHz Wi-Fiはデータの送受信にかかる時間が非常に短くなります。Roonのリモート操作のように、リアルタイムな反応が求められる場面では、これが「遅延がない」という快適な体感を生み出してくれます。

DSP処理をしていないことも安定の鍵?

もう一点、現在の安定性に大きく貢献していると感じているのが、私がRoonのDSP(Digital Signal Processing)機能を全く使っていないことです。
DSP処理、例えばアップサンプリングやイコライジングなどは、Roon CoreのCPUに高い負荷をかけ、その結果としてネットワーク上を流れるデータ量も大幅に増加させます。元の音源ファイルに比べて何倍ものデータ量をWi-Fiでストリーミングすることになるわけです。
DSPを使っていない場合、Roon Coreは基本的に音源ファイルそのものをネットワーク経由でWiim Pro Plusに送るだけなので、Wi-Fiへの負荷が最小限に抑えられます。これが、電波が「弱い」状況でも安定して動作している大きな要因だと考えています。

電波が弱くても「安定」が最重要

Wiim Pro Plusが「弱い」と表示していても、実際に「安定している」ことが重要だと実感しています。Roonのような高音質ストリーミングでは、途切れないこと、そして操作性が良いことが、何よりも快適性に繋がります。

もしDSPを試すなら?中継器がカギになる可能性

現状はDSPを使わず快適ですが、もし今後、音質調整のためにDSP機能を試してみたいという気持ちが出てくるかもしれません。その時、現在の「弱い」電波強度だと、増加するデータ量に対応しきれず、不安定になる可能性も考えられます。それから、近隣や家でのWi-Fiの装置が増加した場合にも不安定になる可能性はあります。
そこで視野に入ってくるのがWi-Fi中継器です。
中継器を導入してWi-Fiの電波強度を上げることで、以下のようなメリットが期待できます。
データ転送能力の向上: 電波強度が上がればWi-Fiの通信速度も向上し、DSP処理によって増大するデータ量でも、ネットワークがネックになりにくくなります。
パケットロスと再送の減少: 電波状況が改善されることで、データが失われることが減り、その再送にかかる時間や負荷も減らせます。結果として、より効率的で安定したデータ転送が実現できます。
つまり、中継器でネットワーク環境を強化することは、現在の安定性をさらに盤石にするだけでなく、将来的にDSP処理などの高負荷な機能を使う際の土台作りにもなるのです。さらに中継器から直接LAN接続するとさらに安定するのかと思います。

まとめ

我が家のRoon運用を通して、5GHz Wi-Fiは電波が弱くても、その「高速性」「干渉耐性」「低遅延」といった特性がRoonの快適な利用においては非常に重要であることがわかりました。そして、DSP処理を行わないことで、この「弱い」環境でも安定性を保てていることも重要なことだと思います。
もし皆さんもWi-Fi環境で悩んでいて、Roonのパフォーマンスに疑問を感じているなら、電波強度表示だけでなく、実際の操作感や再生の安定性、そしてDSPの使用状況も合わせて判断してみるのが良いかもしれません。
今のところは快適なので、しばらく様子を見てみようと思っています。もし不安定になったり、DSP機能を試したくなったら、中継器の導入を検討する予定です。
皆さんのRoon環境の参考になれば幸いです!

この記事を書いた人

札幌在住油彩画家。音楽鑑賞(ジャズ)、オーディオ、散歩、ドライブ、サイト運営が好き。

オーディオ