-ホロナイ鳥瞰-　北山寛一展　へ行ってみた

札幌在住の画家である北山寛一さんの展覧会へ行ってみた。以前にも何度か個展やグループ展は拝見しているけれど、気に入った画風なので、近くで個展があるなら、時間がある限り観たい作品なのです。

今回も炭鉱の町である幌内村の当時の様子を表現した絵をテーマしているようだ。こうしたテーマにそって描くことで、作者は色々なパターンを試すことができるだろうし、鑑賞者はひとつの物語をみるような楽しみがある。歴史的にみると、貴重な絵画にも感じる。もう閉山した炭鉱の町だからだ。作者の小さいころ暮らした故郷の記憶と写真家の故・及川清治郎からの炭鉱の写真からヒントに描いている貴重な資料としてとらえられる。

単なる歴史資料というだけでもなく、もちろん美術品としての素晴らしさがある。歴史的背景を知らず単純に絵画としてだけ見るとしても感動する作品。絵肌が独特で何度も色を置いたり削り取ったりした技法が心地良い。自分なりの技法で語るような絵は本当にあこがれるものです。油絵だからこそのこの技法。鳥観図が見事に作品になっている。素晴らしい。

-ホロナイ鳥瞰-　北山寛一展