趣味のオーディオにおいて、この1年は「Roon」という存在が私の音楽生活を根底から変えてくれました。
使い始めて1年以上が経ちましたが、改めて感じるのはその圧倒的な完成度です。音質が良いのはもちろんですが、何より「使いやすさ」が半端ではありません。自宅にRoon ROCK(専用サーバー)を立て、WiiM Pro Plusをエンドポイント(再生機)として使う。この環境が整ってから、音楽との距離が劇的に縮まりました。
今回は、私が感じているRoonのメリットと、避けては通れない「ノイズ」という課題について書きたいと思います。
「パソコンで聴く」のとは決定的に違う理由
Roonの最大の利点は、音楽専用のサーバーを自宅のネットワーク内に構築できることです。
かつてのPCオーディオは、パソコンという「ノイズの塊」の中で音楽ソフトを動かしていました。しかしRoonであれば、音楽再生に特化したOS(ROCK)から直接データを送り出すことができます。
パソコンを介さずに音楽を聴く。
この仕組みによって、音が本来持っている質感や奥行きが損なわれず、ストレートに耳に届きます。油彩画を描く際、濁りのないクリアなオイルを使うことで発色が鮮やかになるように、再生環境から余計なプロセスを削ぎ落とすことは、音の「色彩」を保つために不可欠なことなのです。
ネットワークが運んでくる「目に見えない濁り」
しかし、Roonという優れたシステムを導入すればそれで完璧、というわけではありません。ここで一つの大きな壁にぶつかります。それが「電気的ノイズ」です。
ネットワークオーディオは、LANケーブルを通じて音楽データを運びます。しかし、そのケーブルにはインターネットの海から入り込む微細な電気ノイズも一緒に流れてきてしまいます。
私は感覚過敏なところがあり、音の背後にある「ザラつき」や「重たさ」を敏感に感じ取ってしまうことがあります。Roonによって操作性や利便性が究極まで高まったからこそ、逆にこうした「電気的な雑味」が無視できないものとして浮き彫りになってくるのです。
「純度の高い静寂」を求めて
せっかくRoonで理想的なデータ処理ができても、入り口であるネットワーク経路でノイズが混じってしまえば、本当の意味での高音質には辿り着けません。
- LANアイソレーターで電気的な接触を断つ
- スイッチング電源のノイズを消すためにリニア電源にする
こうした「ノイズを減らす対策」を積み重ねて初めて、Roonの持つ真のポテンシャルが解放されます。それは、キャンバスに向かう前に、集中力を高める作業に似ています。
ノイズが消えた先にあるのは、ただの「音」ではなく、演奏者の呼吸や、JAZZのライブハウスの空気感そのものです。
終わりに
Roonは、私のような「音の純度」を大切にしたい人間にとって、最高のパートナーになってくれました。そして、突き詰めればどこまでも応えてくれる懐の深さ。
ネット環境のノイズ対策という課題は尽きませんが、その試行錯誤さえも、至福の音楽体験への大切なステップなのだと感じています。
