長年CDをコレクションした音楽鑑賞からストリーミングによる音楽鑑賞も併用してましたが、1年ほど前からは、私の音楽生活に大きな変化がありました。 再生ソフトを「Roon」に変えてから、ストリーミングで音楽を聴くことが、単なる「消費」ではなく、一枚一枚のアルバムを丁寧に「購入」して棚に並べていくような、あの懐かしい感覚に戻ったのです。
ジャズを愛する私にとって、かつてはCDが増えていくことは喜びであると同時に、物理的な「重み」でもありました。しかし、RoonROCKとWiim Pro Plusを組み合わせた今の環境は、その概念を鮮やかに塗り替えてくれました。
「所有感」と「空間」の幸福な共存
ストリーミングなのに、まるで自分のライブラリを所有しているような感覚。 詳しいレコードリストを作り上げ、その一画をクリックした瞬間に音が溢れ出す感動は、非常に現代的でありながら、どこか儀式的でもあります。
何より素晴らしいのは、「どれだけコレクションが増えても、部屋が狭くならない」ということ。
月に20枚から30枚、昔の名盤の掘り出し物や、新譜が私のライブラリに加わっていきます。これがもし物理的なソフトだったら、私の創作活動(油彩)のスペースや、空間を少しずつ浸食していったことでしょう。
触れることのできない「物質感」
私にとって、物が溢れず、それでいて自分の好きな世界が緻密に整理されている状態は、何よりの心の安らぎです。
画面越しに眺めるアートワークやクレジットの海。 それは物理的な物体ではありませんが、私にとっては確かに「そこにある」資産なのです。
- 1950年代の熱いジャズの息遣い。
- 現代のアーティストが奏でる最新の響き。
これらを物理的な制約なしに、指先一つで手元に引き寄せる。 空間を支配されることなく、音にだけ支配される贅沢。
今日もまた、私のデジタル・ライブラリには新しい一枚が加わりました。 部屋の広さは変わらないまま、私の世界だけが少しずつ、確実に深まっていく。そんな心地よい暮らしのなかで、次の一枚を鳴らそうと思います。
